コロナとお弔い

 

いつも貴重な情報を下さる方から
「週刊誌に注目すべき記事が載っていました」とのお便りを頂き、
その記事を送って頂きました。

最近コロナで日々のルーチンワークが変わったので全く読んでいなかった週刊現代。
中々面白い記事が出てますので間借り読みをしておりました。

今回は自分の専門分野のこと、
コロナでここまで変わった葬式のやり方」「死後の手続き」
という特集です。

内容は、今際の際での病院と親族のやりとりに始まり、病院と葬儀社との提携話、葬儀のあり方についての三密回避、法要のあり方、参列ご辞退のお願いは出しても僧侶の数は減らすな(これなどちょっと我田引水の匂い)、死後事務手続き(これはとても大事)、この7月10日から「法務局による自筆証書遺言の預かり制度」が始まったとのこと、これも注目すべきところ。後は、名義変更や相続のお話です。

正しく判断ができるために前提は、
まず、今行われている葬儀はいつからかということです。そんなに昔からではないのです。お墓の形もそうです。
かつては土葬で、当然家で亡くなります。亡くなった肉体を丁重にお祀りしお体を清め、一方では野墓(墓場)に穴を掘り、お棺に収めて皆で行列し埋葬する。そしてその後お寺へ無事埋葬した報告を兼ねてお参りにいく。これを町内の皆で手分けして役目を担い、互いに野辺の送りをしていました。火葬の起こりは道昭和尚の弔いの時、道昭和尚とは飛鳥・奈良時代の名僧、師匠は玄奘三蔵、弟子には行基がいます。火葬はかなり貴重な弔いで、火葬が終わるころつむじ風が起きて遺骨は散逸したというのは注目すべき言い伝えです。

魂という字のヘンは雲の下半分で、死者の魂は煙とともに天にのぼるとされ、衛生面もありましたが、信仰的に行われました。お釈迦様も火葬ですから道昭和尚の思いはそこにあったのでしょう。
しかし日本では気候が違って環境的な問題よりも日本古来の信仰性を深く結び続けたのでしょう。それでも江戸期にはかなり多く火葬が増えてまいりました。特に人口密度が高いところほど。当然お墓の様子や儀式も変わります。前にも紹介した供養墓と埋葬墓のしきたりは特に都市部と地方で変わってきます。

今の葬儀やお墓は明治期に出来上がったものです。戦後という地域もあるでしょう。近代文明とともにその生活様式に合わせてできたもの。まるっきり変更したのではなく、前の時代から引き継いで残ったものとの折衷でできています。

時代関わり始める時、近代的なものに対する見極めが肝要です。

日本では信仰的行為がかなり日常生活の作法に当たり前に備わっているということ、宗教行為であるということがわからなくなるくらいまで当たり前になっている。

告別式という言葉。葬儀ではないもの。初めての告別式は中江兆民のために行われたとされます。「告別式」とは「葬儀をしない」という意味でもあります。宗教色を一切抜きにして送るために発案された言葉が告別です。お線香も薫じないという徹底ぶりでした。

今後どうなっていくのか?

要点はこのようなことでしょう。
まず、亡くなった人に対しての報恩が中心にあるということ。つまりこちら側が何をしたいかということです。自分が当事者であるときも、また、縁者が亡くなったことについても、身近な家族がお送りし恩に報いた時間を過ごせることを第一にすることです。

とやかく周りが自分の主張をしないことはとても大事です。

魂は自由です。報恩の深い思いがあればスッとどこへでも自分がいるところへ来てくれるものです。すべては自分のもとにある。(自分家で家系以外の供養をしてはいけないなどというのは、我田引水です)

長男がやるとか、ここでやるとか、こうしなければならない。というのは肝要を弁えない人の主張です。

「僧侶に来てもらわねば」というのも、自分が読経に心得がないからできる人に来てもらう。という一つの考えを持っておかれると良いでしょう。

古来より良き日本人の心得は、なんでも自分でできるようになるということです。
実は自立性に長けていたのです。おそらく今風な日本人はこの180年間に強まったのでしょう。

ぼんさんと信仰熱心なオヤジさんとの話があります。
日頃から三日に一辺は間違いなく酒を酌み交わしながら仏道を習っていました。
やがてそのオヤジさんは亡くなります。
お寺へ村内の人がぼんさんを迎えに参りますが、何度迎えに行っても、「そのうちいくから」との返事ばかり。やがて時が来てオヤジさんは埋葬されます。

引導もなくどういうことかと、村内のものが尋ねますと、ぼんさんはこう言います。

「オヤジさんとはいつもいつも仏道の話を繰り返し共有してきた、かなりの悟りを2人で気付きあって涙を流したものだ、それが何よりの引導であり仏陀の功徳。
今際の際、野辺の送りに至っては何ももうワシがすることはなかった」と。

今は空間と時間の制約がなくなった世界。親子夫婦も、日頃の繋がりを見直して、その時になって慌てたり後悔しないようにライフスタイルを調えましょう。

自分の身の丈に合わせ、背伸びしないで、精一杯研鑽に励みつつ、その自分で出した答えに誠実に生きる時です。

 

 

 

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